陰キャならロックをやれ! 孤独だった少女がバンドで成長する激アツ音楽コミック『ぼっち・ざ・ろっく!』【書評】

こんにちは。2度目のコーセーです。

 

早速本題。

陰キャならロックをやれ! 孤独だった少女がバンドで成長する激アツ音楽コミック『ぼっち・ざ・ろっく!』【書評】について考える

後藤ひとりは極度の人見知り、いわゆるコミュ障で陰キャだ。とにかく自分に自信がなく自己肯定感が低い。そんな彼女の心の拠り所は中学時代から始めたギター。その実力はなかなかのもので、ひとりが「ギターヒーロー」を名乗り演奏をUPした動画サイトには数万人のフォロワーが集まるほどだった。 現実が辛くても大丈夫! ネットには私に反応してくれる人がたくさんいるもん ネットの世界の人達は私と同じで暗い人ばっかだし!  ネットでチヤホヤされるひとりは「現実でも人気者になりたい!」と思っていた。そのためにバンドをやりたかったのだが、クラスで友だちすら作れない彼女はどうすることもできないでいた。  転機はいきなり訪れる。ギターを背負って公園でぼーっとしていたひとりに、高校2年生の伊地知虹夏(いじちにじか)が「今日だけサポートギターしてくれないかな!」と話しかけてきたのだ。虹夏はドラマーでベーシストの山田リョウと「結束バンド」というバンドを組んでおり、今からライブをする予定だった。しかし一緒に出るはずだったギターの子が突然やめてしまったために代役を探していたのだ。  ひとりは思い切って、ネットで認められているギターの腕前を披露しようとする。しかし上手くやれない。他人と目を合わすこともままならない彼女は、生身の人間と演奏の呼吸が合わせられないからだ。さらにいきなりのライブハウスデビューで、お客さんの視線にも耐えきれないひとりはダンボールの箱に入ってギターを弾くことに。彼女は全く実力を見せられなかったが、虹夏とリョウはあくまで優しく接する。そして“ぼっち”というあだ名までつけてくれた。  自分が思い描いていたバンドマンデビューではなかったけれど「次頑張ろっ!」と言って誘ってくれるふたりのために、ぼっちことひとりはギターヒーローとしての力を発揮すると心に誓う。  かくして彼女は「結束バンド」の正式メンバーになった。虹夏とリョウと一緒に練習をし、ふたりと友だちになり、皆で虹夏の姉が店長を務めるライブハウスのアルバイトも始める。  彼女はぼっちになって、ついに孤独でなくなったのだ。

本作の大きな魅力は登場人物である。まずは何はなくとも皆かわいい。高いコミュニケーション能力を誇る虹夏、飄々としたリョウ、最後に「結束バンド」のメンバーになる“超陽キャ”の喜多郁代(きたいくよ)も見ているだけで癒される。しかもかわいいだけではない。彼女たちには譲れないもの、抱えているものがあり、それらがドラマになって語られていくのだ。そしてキャラの奥深さといえばやはり、ぼっちである。  本作はコミュ障&陰キャあるあるを連発するぼっちを、ギャグ漫画のように描いている。もちろん笑えるのだが、私は笑っていいのか戸惑ってしまった。なぜならあまりにもリアルで身につまされたからだ。 「相手の申し出を断ることすらできない」「自分から話しかけられず一人で弁当を食べ続ける」「自分以外が皆キラキラしているように感じる」「自意識過剰」陰キャ属性の私は、こんなぼっちに共感しすぎて思わず泣きそうになる。同様に感じる読者は多いかもしれない。  ただ前述の通り彼女は念願のバンド活動を始め、友だちを作り、アルバイトをして人と目を合わせられるようになる(たまに)。「人として成長している!」と読めるが、ぼっちの認識は「やっと人間としてのスタートラインに立っただけ」である。  彼女は実は欲深い。自己肯定感は低くても承認欲求の塊で「褒められたい」し「チヤホヤされたい」のである。これはぼっちに感情移入している私たちも同じはずだ。誰だってなりたいようになりたいのだ。  そんなぼっちの気持ちはバンドを始めたことで変化していく。  友だちになったバンドメンバー“4人”で人気者になりたい、他人と共に何かを成し遂げたいと思うようになるのだ。これこそが成長……!  私たちは、少しずつ伸びていくぼっちと「結束バンド」を、共感と憧れをもって見守りたくなるのだ。  物語は「結束バンド」が10代バンドフェス「未確認ライオット」にエントリーし、ライブ審査へコマを進める激アツな展開になっている。はたしてぼっちは“リアルの”ギターヒーローになれるのか。さらに彼女たちを紹介してほしいという謎の女性が登場する……。  本作にハマれば「結束バンド」の楽曲を実際に聴くことができるテレビアニメ『ぼっち・ざ・ろっく!』は見ないわけにはいかない。ぜひ漫画とアニメの永久ループを楽しんでほしい。とのこと。

 

この作品はとても面白く、興味深さとギャグの面白さが混ざっている。原作がキララということもあり、その面白さは保障されたようなもの。個人的には、続きが気になる今期一押しの作品だ。

 

そんなわけでまた後程。

 

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